河内町の旧家再生
木りんRe:スタート第一作目の『烏山の家』ですが、とにかくこの地域は景観がすばらしく、これをいかに取り込み・馴染ませるかがテーマになりました。お客様の要望も“山小屋”みたいな依頼もありました。
木をふんだんに、バランス・センス良く、かっこよく魅せる事に気を使いました。間取りは二人暮らしを前提で設計したのですが、建坪は20坪程度の平屋なので、設計等でいかに立体的な拡がりを表すかが難問のひとつでした。

※K〜LDを眺める
美しい構造体が圧巻。プレカットの状態で小屋組みのバランスを考えてデザインする。おかげで照明の配線表しは皆無。

※カウンターからの眺望
食事・酒飲みをしながら眺める景観は最高。キッチンは対面オープンとし、吊戸は設けず、柔らかく“K⇔D”を間仕切る為に設けた3連のペンダント。カウンターを浮かび上がらせる効果も。キッチン背面には壁を厚めに誂え、造作家具&ギャラリーコーナーを設置。デザインの為、家具を“置かせない”工夫である(笑)

※洗面脱衣室
玄関⇔洗面脱衣室⇔キッチンとアクセスが可能。
浴室・化粧台はINAX製。床は天然塗装されたコルクタイルを敷いた。天井はシナ合板クリア塗装仕上げ。

※家の入り口
家の顔である玄関ホールは天窓を設け、お客様を明るく出迎える準備。土間は設計士自らが埋め込んだ玉石。アクセントに花柄をアレンジし、かわいらしさも演出。ポストは外壁に埋め込んだ。右手はトイレ。

※外観正面
外壁・屋根はガルバリウム鋼板。シンプルな外観ゆえ、玄関廻りにアクセントつけた。サッシはすべてシャノンの樹脂サッシ。

※夕刻、南から眺める
高台になっている土地のため、その存在は一際目立つ。窓からこぼれる白熱灯の柔らかい光が印象的。

※玄関正面
外部で唯一木材を使用した玄関。玄関ドアは“レッドシダー(米杉)”をチョイス。把手は那須で探してきた“シャラ(夏椿)”を加工して取り付けた。照明は別体でセンサーを設けた。

※寝室〜Lを眺める
リビングと“曖昧”に繋げた寝室。敷居レスで2枚片引き戸は上吊式に。紙クロスの“柄”はLと同じだが“色”のトーンを変えた。これらのおかげで2つの空間に拡がりを持たせることに成功した。天井は立体的にロフト床を利用。照明は裸電球4個を梁に取り付けたのみ。温かみと落ち着きのある空間となる。

※L〜DKの上を望む
母屋・垂木を表した天井はライトアップしてさらに立体的に浮かび上がらせる。2本のタイコ梁はこの家の特徴とも言える。下部にはそれぞれ照明を設ける。手前の梁はワイヤーを渡し、奥はスライディングレールを設け、それに3つのペンダントライトでアクセント付ける。リビング外周部の梁にも裸電球を設置。照明による空間作りを積極的に採用。
寝室の上部はロフトになっている。重厚な手摺でバランスを整える。はしごは脱着可能。

※カウンターを上から望む
まるで高級BARのような空間を展開。ライティング効果で非常にムーディーな雰囲気。ついついお酒もすすんでしまうかも。

−総括−
 約3ヶ月という短期間でここまで完成された当物件。設計を担当させて頂いた私(滝沢)も非常に満足行く仕上がりなのですが、お客様にも大変満足頂いている事で感無量であります!今後のライフスタイルにどうのような影響が表れるのか、楽しみな面であります。
 今回もお客様に信頼を頂き、私の意志・考えを存分に取り込ませていただき、楽しみながら竣工を迎えました。日々進化していく中で、最大限の表現が出来たのではないか、と自負しています(笑)喜び・感動を与える為、最後まで諦めず、本当の細部まで計算・デザインに苦悩しました。今後は『建築』という枠を超えたお付き合いが出来る事を願います。これからもよろしくお願いします。ありがとうございました!!

後追いは致しません!ご安心ください。
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